| | 貴方がいなくなると寂しくなるわね」 「お世話になりました。まだ髪を拭き終わっていないの」 「マーヤは髪が長いから大変だね。彰君は男でも磨いておきなさい」 「奈津に期待していいのか、悪いのか。照れるだろうが」 真っ赤な顔で照れる龍平がそこにはいた。母さんには母さんの事情で、ひとりで俺を育て続ける道を選んだんだろう。大抵、昼は女の友達と一緒にいるので俺も誘うこともないし。」 「その自覚がない所がムカつく」 私が拗ねながら、校舎を出て雨の降る空を見上げた。「祥吾ちゃんは家族だよ、私の家族だもん。だが、人生のどこかで、私たちがこの1年間感じたのと同じように、愛されていると感じて欲しい」と周囲への感謝を述べた。ここって、神社の中か?何で、どうして?『夏姫と明彦は確かに兄妹じゃないわ』 「そう、なんだ?」 この前、無理やりキスさせようとした人間から出る台詞じゃないし。ホント、彼女には敵わないな。その手帳と書類、ふたつを手に入れたキミは何を望むんだ?それまで、恐怖の代名詞、象徴とも言える存在だっただけに直視できずにいたが、改めて見ると桜華はとても可愛らしい女の子に思えてくる。「小型の室内犬だよ。でも、他人に話すような事じゃ」 しかも相手は初対面、話せといわれて話せるものなのだろうか。
シャネル ... Далее | | |