| |  大事な人の傍にいるためには拘束するだけじゃダメだった。 私自身も傍にいれる努力をしなくちゃいけないのに。」 「あやつには経営者として才能がある。いつかは私の跡を継げるように、子供の頃からそう育ててきた。」 私は散歩途中によった公園でなぜか彩華の姿を見つける。 「あー、優那ちゃんだ。こうしてのんびりと食事をしている時間が結構好きだ。 時刻は夜の7時半を過ぎた頃、ふたりでソファーに座りながらテレビを見ていた。「あのね、パパがすごく楽しそうだなって思ったの」 「そうだね。葉月と話すのは楽しいよ」 「な、何を言って」 「母さん、何か照れてる？」 瀬能先輩からキツイ一言をもらった北村さんは特に反論する事がない。 会報作りは一年の頃はしていたけど、先輩たちが卒業してからはしていない。俺は蒸し暑さにうんざりしながら、前を歩いている鏡花ちゃんに声をかけた。 「何だか嬉しそうだな」 「うん、だって、優貴さんに可愛い服を買ってもらったから。何で俺が更紗の執事にならないといけないんだ、という基本的なことを聞いてるんだが？」 「私がそう決めたから。それを両親に心配させていたのは分かっていたの。 「でもね、実際に元雪君と交際してからの和歌は目に見えて幸せそうだもの。
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